【伊】ヴェネチア・フィレンツェ②

rialto イタリア満腹旅行~ヴェネチア・フィレンツェ

inter city ローマ、テルミニ駅から、国内特急Intercity(IC=インテルシティ)で一路ヴェネチアへ。シエナやボローニャを通って4時間半くらい。イタリアの電車は時間にルーズと聞いていたが、イギリスで慣れているからイライラしない。座席は6人がけのコンパートメントで、アルゼンチン人の親子(父、母、娘。娘がイタリアで就業中)とイタリア人のおばちゃんと乗り合わす。イタリア語のみのおばちゃん、スペイン語のみの父、英語とスペイン語を解す母、英語と役に立たぬ日本語をしゃべるわれわれ、と室内の会話は混乱をきたしたが、英語、スペイン語、イタリア語の3ヶ国語を話す娘のおかげで、楽しい旅になった。コンパートメントの車両って日本じゃ見かけないが、これは馬車の名残りなのか?道連れができる面白さはあるが、実のところ不便じゃないかと思う。

3月4日。今年は明日からキリスト教の四旬節、昔は復活祭前の40日間は肉食を絶ったので、その直前はカーニヴァルで浮かれ騒ぐのが慣わし。ヴェネチアのカーニヴァルは、ご存知の通りの仮装コンテストで、伝統的なマスケラをつけた人が、しゃなりしゃなりと町を練り歩いている。宵闇せまるサンマルコ広場には、祭りらしい「ハレ」な雰囲気が漂い、心が騒ぐ。思い思いの衣装をつけた観光客も多く、いかした中国人と写真撮影。夫は節分の鬼のお面で対抗!その後、夜半まで広場は巨大な屋外ディスコに。堀さんと美千代さんも、鳴らした腰つきで踊りまくっていた。12世紀の建物に囲まれて、知らぬ者どうしみんな揃ってマカレナを踊るなんていうのは、日本じゃできない経験だ。

maschera piazza san marco chinese dance

salute 翌日は、お決まりのゴンドラ、ムラーノ島のガラス工場見学など。工場の展示室で、作家物のヴェネチアングラスに心魅かれるが、高くて手が出ない。働いて、お金をためたらまた今度・・・。ゴンドラの乗り心地は、予想以上の気持ちよさ。当然ゴンドラ漕ぎのお兄さんも男前。夕暮れ時のヴェネチアの美しさといったら、ちょっと忘れられなくなりそうだ。それから、またまたブランドショップを見て歩き、夫は似合わぬグッチで少々買い物、恥ずかしそう。もちろん、堀さんと美千代さんは、引き続きハイペースでお買い物。

この日の昼ごはんは、居酒屋で昼にお惣菜を出しているオステリアで。カウンターに並んでいるコロッケや温野菜を選んで食べる。夜は、ヴェネチア名物立ち飲み酒屋のバカリで。ネクタイしめて、コートを羽織ったイタリア男たちが、ぶらっと寄っては一杯のワインオンブラを飲んで去っていくのを横目で見ながら、座って、干しタラ料理や、とうもろこし粉で作った高野豆腐みたいなポレンタなど食す。酒の肴なので、特別おいしいものではないが、ヴェネチアの夜の雰囲気を味わうにはいい。

osteria baccari


bunto 旅行6日目。レンタカーを借りて、フィレンツェまでドライブ。車種は、イタリア、フィアット・ブント。高速は有料だが、料金所は少なく、値段も高くない。帰りにひどい工事渋滞にあって、真夜中にくたくたで帰ったが、それがなければ結構快適。高速のくせに一車線の幅が狭くて、右車線を走る(ことに決まっているらしい)大型トラックを、左から抜くときに、ちょっと怖いと感じたくらい。ボローニャでセルフ式のサービスエリアに寄って、仔牛のソテーなんぞを食べたがこれまたおいしい。みんなワインをがぶがぶ飲んでいて、飲酒運転の規制はどうなってるのか?高速はともかく、街中は運転が非常に荒く、気弱な夫はびびっていた。

フィレンツェでは、美しい建物や美術品も見たが、よいトラットリアに行き合わせたのでご紹介。堀さんが、ボォッテガ・ヴェネタで何個めかわからないバックをお買い求めになっている間に、店のお兄さんに「おいしいTボーンステーキBistecca alla Fiorentinaを食べられるところを教えて頂戴!観光客の多いところじゃなくて、いつもお兄さんが行くところだよ」と行ったら、サンタ・マリア・デル・カルミネ教会広場脇の、トラットリア・デル・カルミネという店を教えてくれた(電話番号はなくしてしまった・・・)。分厚くてジューシーなTボーンステーキを切り分けてもらって、うまうま言いながらぺろりと食べる。パン粥や、野菜と豆の煮込みリボッリータもたいへんよい味。甘いワインヴィンサントにつけて食べるビスコッティも、スタバのヤツとは全然違うのね。というわけで、4人でデザートまでたらふく食べて1万円ちょっと。トスカーナ料理、気に入った!

bistecca biscotti


旅行7日目、明日は帰路に。最後の1日は、夕方まで夫とふたりでアカデミア美術館を見た後、家族や友だちにおみやげを買ってまわる。イタリアには、いろんなタイプの食べ物やさんがあり、ふらっと立ち寄ってちゃっと食べられるのがいい。バールのほかにも、持ち帰り専門のピッツェリアや、その場で立ち食いができるお菓子屋さんパスティチェリアが、街歩きに便利。コーヒーは、エスプレッソ、カプチーノ、マキアート、オルゾなどいろいろ飲んだけど、オルゾ以外はどれもどれもおいしかった。

pizzeria pasticceria

miracle spray 最終日の夕食は、五つ星ホテルダニエリの最上階にあるテラスレストランへ正装で出かける。アラカルトで少なめに選ぶが、どの皿も量が多くて食べきれない。味付けは濃い目。わたしが選んだメインコース、ヴェネチア料理の仔牛レバー玉ねぎ炒めはおいしかった。この店、味はたいしたことないが、茶目っ気たっぷりのカメリエーレの気配りがすばらしい。夫が、新品のグッチのネクタイに早速食べこぼしをしてしょげていたら、ミラクルなスプレーを持ってきて、さっとシミを消してくれた。夫、感動で泣きそう!

pretty women 今回の旅行記は、なんといっても堀さんと美千代さんの優しさに感謝して終わりたい。食欲も、購買意欲も、好奇心もびっくりするほど旺盛で、気持ちも懐もあったかいおふたりのおかげで、夫とだけだったら絶対にできない経験をたくさんさせてもらった。とにかく道中のおしゃべりが楽しかったしね。4人で得意分野を分担して、補いあったいいチームだった。また一緒に旅行に行こうと誓い合う。事後にメールで確認したところ、美千代さんは「次は再びフィレンツェとヴェネチアを中心にまわりたい」、堀さんは「秋にスペイン」とのお言葉。楽しみだ。心からありがとうございました!


r.ginori  papers

おまけ・・・帰ってからおみやげ開くのも楽しいね。
《戦利品》ジノリの食器類、町のバールのエスプレッソカップ、マーブル紙の文具、ブラーノレースなど。
EU域内に住んでいると、付加価値税の払い戻しを受けられないのが、少し残念。



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